共通データ仕様を活用した包括施設管理の調達仕様
包括施設管理業務委託の公募型プロポーザル実施時に仕様書案に記載した共通データ仕様の採用事例を紹介します。記載は公開日の逆順になっており、最新の事例が一番上に掲載されています。尚、各事例に記載した説明は事務局で執筆したものであり、協議会で合意したものではありません。もし、誤認や記述漏れなどがありましたら、コメントを頂ければ助かりす。
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■宮崎県川南町
2025-12-17付で宮崎県川南町から「川南町包括施設管理業務委託事業に係る公募型プロポーザルの実施について」が公開され、共通データ仕様を活用した電子データの提出を求める内容の仕様書も同時に公開されました。
「川南町包括施設管理業務委託仕様書(案)」のデジタル化や共通データ仕様が寄与すると思われる部分の記載は以下となっています。
第1章 総則
15 施設別支出明細の提出
国に報告する決算統計のため、施設別の支出状況を把握する必要があります。このため、受託者は、保守点検等業務費及び修繕業務費について、施設別・業務別の支出明細(Excel 等の電子データ)を町が指定する時期に提出してください。
なお、提出明細には、概ね次の事項を含むものとし、項目、様式及び提出頻度は、優先交渉権者との協議により定めるものとします。
(1) 施設名
(2) 業務区分(保守点検/修繕)
(3) 実施日
(4) 業務内容
(5) 金額(必要に応じて内訳)
22 報告書等の提出
(3) システムによる報告・指示
① 受託者は、本仕様にある各種報告等は、クラウドやワークフローなどのシステムによる保存・共有・報告する事で、本町職員の事務負担の軽減を図り業務効率の向上を考慮してください。また、報告書等の保存に際しては、適切な項目設定により検索や抽出を可能とするよう考慮してください。
② 受託者は、本町からの指示及び情報共有について、システムを活用することで本町職員の事務負担の軽減を図り業務効率の向上を考慮してください。
(4) 電子データの提出
受託者は、1号及び2号の報告書等について、本町の要求に際し、可能な限り加工分析がしやすい電子データにて提出するものとし、データの形式等詳細については協議により決定します。なお、ここでいう提出とは、前号のシステムから簡易な手順により職員が入手する事を含みます。
23 施設管理情報の管理及び整理
(1) 本業務で作成する情報は電子化するものとし、電子化した各種文書のファイル形式や格納場所や電子データの仕様は本町と協議の上、定めるものとします。また、電子データの仕様についても、本町と協議の上、特定非営利活動法人日本PFI・PPP協会が公開している共通データ仕様(https://ppp-database.org/)について、可能な範囲で参考にし、本町のデジタル化推進に貢献できるようにしてください。
(2) 受託者は、作成した本業務に係る計画書、各種点検結果報告書、不具合・故障履歴及び修繕履歴等、施設ごとの維持管理の状況や履行結果に関するデータを、インターネット上のクラウドサービスのシステム(以下「業務管理システム」という。)に登録し、本町と常時情報共有できるようにしてください。また、必要な情報については、本町と協議の上、本町担当者が常時確認できるようにしてください。なお、業務管理システムの詳細については、受託者の提案を踏まえて、本町と受託者の間で協議し、決定するものとします。
(3) データ管理に当たり、IDやパスワードを適切に管理するとともに、外部への情報漏えいを防ぐ対策を講じてください。
(4) 業務を実施するために必要なデーターサーバー管理費等は受託者の負担とします。
(5) 受託者は、台帳整理、スケジュール管理、業務報告等のペーパーレス化に努めてください。
(6) 業務管理システム等を使用する場合、業務委託終了時点でデータを引き継げる状態で納品してください。
(7) データ管理について疑義が生じた場合は、本町と受託者が協議の上、定めるものとします。
27 町内事業者の活用
(1) 受託者は、本業務の実施にあたり、町内事業者の経営基盤の向上、受注機会の拡大、技術力の向上に資するものとするため、町内事業者を最大限に活用し、現行の水準を下回らないように努めてください。
29 業務の引継ぎ
受託者は、委託期間の満了又は契約の取消しにより、次の受託者に業務を引き継ぐ場合は、円滑な引き継ぎに協力してください。また、施設・設備の情報(保守点検結果、不具合及び修繕の履歴等)については、次の受託者が使用可能な電子データにて提供してください。
尚、全文については、以下をご覧ください。
https://www.town.kawaminami.miyazaki.jp/soshiki/14/15138.html
特徴は、デジタル観点では以下の点があると考えます。
- 業務全般について一貫したペーパーレスを求めています
- クラウドシステムの活用が明確化されています。事業者からの報告に関する職員負担の軽減や効率化に加え、町側からの指示や情報提供も明記してあります。また、情報共有だけてなくワークフローやペーパーレスも記載されていますし、電子データの提供もシステムからのダウンロードを許容する記載があります
- 電子データには多様なものがありますが、「検索や抽出を可能とする」や「加工分析がしやすい」などと、提案側が電子データの種類を検討するための情報が盛り込まれています
- 町内事業者のデジタル化や操作の修得なども提案できる内容となっています
- 将来の引継ぎに際し、「次の受託者が使用可能」な電子データと記載してあります。6年後の標準化動向は現時点では見通せませんが、その時点での現実的なデータ仕様でのデータ提供を求めています
■京都府木津川市
2025-07-18付で京都府木津川市から「公共施設包括管理業務に係る公募型プロポーザルの実施について」が公開され、共通データ仕様を活用した電子データの提出を求める内容の仕様書も同時に公開されました。
「木津川市公共施設包括管理業務公募型プロポーザル実施要領」のデジタル化や共通データ仕様が寄与すると思われる部分の記載は以下となっています。
11.企画提案書等の作成及び提出
10(4)の参加資格審査結果通知で参加資格を認められた事業者は、次のとおり企画提案書等を作成及び提出することとします。
(4)企画提案書作成方法
企画提案書には、本実施要領、仕様書等に基づき、アの内容を記載してイのとおり提出してください。なお、アのA~Fに加えて、新たな項目について提案を行うことは妨げません。ただし、記載する順は下記に概ね合わせるか、下記と異なる順に記載する場合は目次等で表示してください。
ア 記載事項
D 危機管理、安全管理、緊急時の対応
・事故防止や事故発生時、緊急時の具体的な対応策、各施設の特性を理解・配慮した上で、迅速な対応ができる提案について記載してください。また、事業者のリスク管理、情報漏洩等に関する研修実施の提案について記載してください。
E 市内事業者の活用・育成
・市内事業者の具体的な活用案や、技術力、ノウハウ、経営基盤等の向上に資することが期待できる提案について記載してください。
F 独自提案、その他
・共通システムによる進捗管理など、庁内業務のDXの推進に資する提案について記載してください。
・効果が期待できる追加サービスや独自のノウハウの提案等について記載してください。
・業務実施後の施設所管課職員の所管施設への意識の希薄化が生じないようにするための具体的な提案について記載してください。
・業務開始までの本市との協議や市内事業者への説明会等、業務実施の準備について記載してください。
「木津川市公共施設包括管理業務仕様書(案)」のデジタル化や共通データ仕様が寄与すると思われる部分の記載は以下となっています。
第1章 総則
7.一般事項
(2)受託者は、複数施設及び複数業務を管理するメリットを活かし、業務品質の向上及び業務の効率化のための工夫を積極的に講じてください。
(3)本業務の履行確認は、原則として報告書等の書類又はデータによるものとします。なお、業務完了後では確認できない場合は、必要に応じて業務の履行状況が分かる写真等を提出してください。
(7)本業務で作成し、本市に提出又は提供した書類又はデータは、原則として、本市に帰属するものとします。
(9)本業務の実施により生じる施設毎のデータ等の整理、取りまとめを行い、本市へ報告するものとします。データ等の整理、取りまとめ方法や形式等の詳細については、本市と受託者が協議の上、定めるものとします。
14.管理情報の整備・共有
(1)契約協議において本市から貸与・提供する図面や台帳等の資料(以下「関連図書」という。)及びデータを基にして、効果的、効率的な維持管理を行うことを目的とした施設管理情報を整備してください。施設管理情報には最新の各種点検結果や不具合・故障履歴、修繕履歴を反映するとともに、本市担当者が常に最新の状態を確認できるようにしてください。なお、各種点検結果や不具合・故障履歴において、修繕を実施していない場合であっても見積徴取の経過を施設管理情報に反映させてください。
(2)受託者が作成した計画書、報告書、各種点検結果、不具合・故障履歴、修繕履歴等について、本市担当者が常に最新の状態を確認できるようにしてください。
(3)本業務で作成する情報は電子化するものとし、監督職員の求めに応じ、整理の上、本市が利用可能なCSV等の形式で提供するものとする。特に、各種点検結果については、データベース化した上で、本市担当者が常に最新の状態を確認できるようにすること。なお、電子データの仕様については、特定非営利活動法人日本PFI・PPP協会が公開している共通データ仕様(https://ppp-database.org/)を参考に、本市のデジタル化の推進に貢献できるようにしてください。
(4)受託者は、適宜に施設利用者や施設職員向けに施設維持管理に関するアンケートを実施し、結果をとりまとめ報告してください。
15.市内事業者等の活用及び育成
(3)受託者は、本業務の実施にあたり、市内事業者の技術力、ノウハウ等の向上に努めてください。
21.事務の引継ぎ
受託者は、委託期間の満了又は契約の取消しにより、本業務を終了する場合は、本業務で作成した書類やデータについて本市及び次期委託契約の受託者(以下「次期事業者」という。)に提供や説明を行い、委託期間満了の3か月前程度の期間には、次期事業者を適宜各作業に同行させ、円滑な引継ぎに協力するものとします。
「木津川市公共施設包括管理業務公募型プロポーザル審査選定基準書」のデジタル化や共通データ仕様が寄与すると思われる部分の記載は以下となっています。
【評価基準】
| 区分 | 評価項目 | 評価の内容・視点 | 配点(点) |
|---|---|---|---|
| 3.本業務の提案内容等 | (6)危機管理、安全管理 、緊急時の対応 | ・事故防止や事故発生時等の具体的な対応策はあるか。 ・緊急時の対応にあたり、具体的・実現性のある体制となっているか。 ・リスク管理、情報漏洩等に関する研修を行っているか。 | 10 |
| (7) 市内事業者の活用・育成 | ・市内事業者の具体的な活用案が示されているか。 ・市内事業者の技術力、ノウハウ、経営基盤等の向上に資することが期待できるか。 | 10 | |
| (8) 独自提案 、その他 | ・庁内業務のDXの推進に資する提案が示されているか。 ・効果が期待できる追加サービスや独自のノウハウの提案があるか。 ・業務実施後の施設所管課職員の所管施設への意識の希薄化対策の具体的な提案が示されているか。 ・業務開始までの本市との協議や市内事業者への周知等、業務実施の準備について示されているか。 | 20 | |
| 合計 | 200 | ||
尚、公告などの全文については、以下をご覧ください(PFI協会会員専用のページです)。
https://pfikyokai.or.jp/pfi-data/houkatsu/unit/gov/26_kyoto/kizugawa/250718/index.html



