共通データ仕様の利用ルール
2025-12-05
共通データ仕様協議会はデータ仕様を共通化して行こうというコミュニティーです。共通データ仕様を使うルールはこのコミュニティー活動を推進していくために設定しているものです。従って、ルール自体もコミュニティーの発展に従い改善していくべきものと認識しています。現在のルールはこちらに記載しましたが、もし使いにくい等の問題があれば改善して行きますので、事務局にフォームでご連絡下さい。
以下、共通データ仕様についてやや技術的な部分も含めて説明します。そもそも共通データ仕様とは何かについて知りたい方は、「共通データ仕様とは」に戻ってお読みください。
共通データ仕様の使い方は多様であり、電子データの種類や使用目的により異なります。以下、使い方の例を提示します。この表の各列について、表の下に詳述します。
| \ データの種類 共通データ仕様の内容\ | 電子帳票/紙帳票 | 表示用電子データ | 加工用電子データ | |
| 表形式 | 構造を表現可能 | |||
| 用語集 | 活用する | 活用する | 活用する | 活用する |
| 項目の選択 | 参考にする | 参考にする | 参考にする | 活用する |
| 項目名 | 参考にする | 参考にする | 参考にする | 活用する |
| データ形式 | 使用しない | 使用しない | 使用しない | 活用する |
■電子帳票や紙帳票で共通データ仕様を活用
ここでいう電子帳票とは、Webブラウザやスマホ等のアプリで画面に表示される帳票を指します。電子帳票でも紙帳票でも帳票には項目があり、文字・グラフ・表などで様々情報が表示されます。この場合は共通データ仕様で使用するのは「用語」です。データの形式は使用しません。用語の目的は電子データを集計したり検索したりするために使用します。逆に言うと、用語の共通化は検索や集計に使う項目だけが対象であり、各項目に登録する言葉を全て定義している訳ではありません。従って、共通データ仕様の「用語」に無い項目は独自の定義で登録して構いません。もし、共通化した方が良いという項目があれば、事務局にフォームで連絡してください。
尚、帳票に表を表示する場合、どの項目を選択し、その項目にどの様な情報を登録するのかについては共通データ仕様のデータの形式(データモデル)は参考になります。また、もし可能であれば表の項目名に「呼称」を採用する事が望ましいです。この呼称はデータの形式で項目毎に記載されている日本語の名前です。データの形式のルールでは項目名に日本語が使えませんが、説明やケーススタディでは日本語の方が分かりやすいため本来の項目名(英単語をつなげたもの)とは別に日本語の呼称を付与しています。この呼称は仕様として縛るものではありませんが、ケーススタディでCSV等の表を例示する場合などにはこの呼称をCSVの項目名に使用しています。このため、同じ呼称を使用しておけば、ケーススタディをそのまま活用可能となります。
■表示用電子データで共通データ仕様を活用
ここでいう表示用電子データとは、pdfなどの紙と同様にサインや印影などを含めて保存可能な一方、改竄が困難な電子データを指します。表計算ソフトなど書き換えが可能なソフトウェアでも、書き換えができない様に保護しているファイルの場合は表示用電子データと分類して構わないと思います。この場合も前項と同様に共通データ仕様で使用するのは「用語」です。データの形式は使用しません。
尚、帳票に表を表示する場合の考え方も前項と同様です。
■表形式の加工用電子データで共通データ仕様を活用
ここでいう加工用の電子データとは、PCやシステムにデータを取り込んで二次加工することが出来るような電子データです。この電子データのデータモデルは目的別データモデルに該当します。表形式の電子データとしてはCSVや表計算ソフトのファイルが一般に使用されています。この場合も前項と同様に共通データ仕様で使用するのは「用語」です。データの形式は使用しません。
尚、どの項目を選択しその項目にどの様な情報を登録するのかについては共通データ仕様は参考になります。また、選択する項目にはデータモデルをリンクする項目か、それに代わる項目を必ず選択する事が望ましいです。例えば、施設一覧を表にする場合、施設を識別する「施設ID」や「場所」の項目も選択しておくと、後で電子データ同士を突き合わせたり、後述する構造が表現可能な加工用電子データに変換する事が可能となります。項目名については前項と同様です。尚、CSVの策定事例はケーススタディ#1に掲載しました。
■構造が表現可能な加工用電子データで共通データ仕様を活用
ここでいう加工用の電子データとは、前項と同様にPCやシステムにデータを取り込んで二次加工することが出来るような電子データです。構造が表現可能な電子データとしてはXML、JSON、JSON-LDなどが広く活用されています。前記の表形式と異なり、複雑なデータも表現可能なので、施設情報や設備情報の様な多様な内容を含む情報の保存や伝達に便利です。あまり表からは見えませんが、インターネット上の通信ではごく一般的に用いられています。データモデルとしては多目的データモデルが該当します。
複雑な情報を表現可能である事から、事業者間の情報の引継ぎなどに活用可能です。尚、デジタル庁が推し進めているエリアデータ連携基盤の推奨ソフトウェアの仕様ではJSONの形式のひとつであるNGSI V2に準拠しています。共通データ仕様のデータの形式はこのNGSI V2に準拠していますので、エリアデータ連携基盤を実装している自治体は、共通データ仕様の形式で電子データを作っておくと、そのままエリアデータ連携基盤にも登録可能です。
この場合は共通データ仕様の「用語」に加え「データの形式」も使用します。データの形式では項目名も定義してありますが、前項までの「呼称」ではなく本来の項目名(Attribute name)を使用します。共通データ仕様のデータの形式は、NGSI V2だけてなく、後継仕様であるNGSI-LD(JSON-LDの形式のひとつ)でも活用可能なように配慮してあります。例えば、NGSI-LDで使用できない名称は共通データ仕様では使用しない様に仕様策定してあります。
共通データ仕様インデックス
2023-05-12
ここでは、本協議会で策定したデータ仕様を記載します。
データ仕様には大きく分けて3種類のものがあります。各種類とも数が多いので、幾つかに分類しました。
各データ仕様に関する説明やルールについては、リンク先のページに記載してあります。
検討中のデータ仕様
2025-12-05
新規に追加仕様としているデータ仕様や拡張検討中のデータ仕様について紹介しています。詳細な内容については各データモデルを参照してください。
| 検討の目的 | 検討の方向性 |
|---|---|
| 建物の部位の表面仕上げについても項目として登録する事で不具合の発生傾向などの分析を検討したいとのニーズが挙げられています。 | データモデル「部位(BuildingComponent)」に項目を追加する方法と、「部位」から維持管理BIMのオブジェクト(guid等)を登録しておく方法があると考えていますが。現時点で議論の方向性は定まっていません |
| 都市公園の管理もして欲しいとのニーズが寄せられています | 都市公園の遊具に関する業界団体と議論させ頂くと共に、自治体のニーズを確認している段階です |

