観測手順 (Procedure)

説明

2025-10-20

 観測する手順を表現するデータモデルです。実業務において何らかの観測やチェックを行う業務は複数の観測作業を組み合わせて実施します。このためこのデータモデルも個々の観測作業の内容を示す「観測指示(instruction)」を含みます。

データモデル

2025-12-03

 下表の「呼称」の列は、説明文やケーススタディで用いる項目の名称です。仕様としては意味を持たない情報ですが、本来の項目名であるAttribute nameは日本語話者にとっては感覚的に理解しにくいため、便宜上定義してあります。

Data Model説明
Attribute name呼称回数type補足
id手順ID1::1Text測定値を一意に識別する識別子。NGSI-LDの仕様に合わせ、次の形式の識別子とします。文字列の”urn:ngsi-ld:Procedure:”<一意となる文字列>です。<一意となる文字列>は一意となる文字列であれば何でもよいですが、本項目値全体でurnの規格に合致する必要がある。
type1::1Text必ず”Procedure”の文字列でなくてはなりません。
name手順名0::1Textこの手順が示す作業の名称です。必須項目ではありませんが、人的作業を伴う場合は名称を付与する事を推奨します。
refFacility施設ID0::1Relationshipこの手順の対象となる施設を識別するためのIDです。手順が多数ある際の絞り込みなどに用いる情報です。
description説明0::1Textこの手順に関する概要説明です。
steps作業項目1..nArray
(ProcedureStep)
「作業指示(ProcedureStep)」を要素とするArrayです。出来る限り実際の手順の順序に合わせて登録する事を推奨します。

技術情報

2025-10-20

定義名Procedure
継承元データモデルデータモデルとしての継承元はありませんが、Semantic Sensor Networkの仕様やデータ社会推進協議会(DSA)の検討結果に基づいています。
参照データモデルなし
URIhttps://ppp-database.org/spec/datamodel/Procedure/
JSON SchemaこのJSON SchemaはNormalized形式に対応しています。必要に応じて、形式チェックの項目を追加するなどして利用する事ができます。本JSON Schemaはデータ仕様の変更や、JSON schemaに対する要望により、予告なく更新されます
補足各種測定作業や確認作業の策定手順に対応するデータモデルです。

Entityの例

 「測定」や「確認」を行う時には手順書やチェックリストを作ります。このデータモデルは手順書やチェックリストに該当します。このデータモデルにはひとつまたは複数の手順を含みます。例えば、以下のペイロードはポンプの確認の手順を示していますが、一つ目のステップでポンプの圧力を確認し、異常が無ければ湯量の確認をします。両方のステップに異常かどうかを判断する閾値が設定されています。

Normalized形式の例

{
  "id": "urn:ngsi-ld:Procedure:DailyInspection:001",
  "type": "Procedure",
  "name": {
    "type": "Text",
    "value": "日次巡回確認手順"
  },
  "description": {
    "type": "Text",
    "value": "施設の日次巡回確認手順。各ステップで測定と記録を行う。"
  },
  "steps": {
    "type": "Array",
    "value": [
      {
        "stepType": "measurement",
        "stepNumber": 1,
        "name": "ポンプ圧力の確認",
        "unit": "kPa",
        "Precision": 0.1,
        "thresholds": [
          {
            "name": "注意レベル",
            "min": 200.0,
            "max": 300.0,
            "inclusiveMin": true,
            "inclusiveMax": false,
            "actionOnBreach": "運転を継続しつつ監視を強化"
          },
          {
            "name": "危険レベル",
            "min": 150.0,
            "max": 350.0,
            "inclusiveMin": false,
            "inclusiveMax": false,
            "actionOnBreach": "運転を停止し、保全担当に連絡"
          }
        ]
      },
      {
        "stepType": "check",
        "stepNumber": 2,
        "name": "油量の確認",
        "action": "油量がメモリの範囲内であることの確認",
        "expectedState": "油量がメモリの範囲内",
        "actionOnMismatch": "補充し、記録簿に追記"
      }
    ]
  }
}

keyValues形式の例

{
  "id": "urn:ngsi-ld:Procedure:DailyInspection:001",
  "type": "Procedure",
  "name": "日次巡回確認手順",
  "description": "施設の日次巡回確認手順。各ステップで測定と記録を行う。",
  "steps": [
    {
      "stepType": "measurement",
      "stepNumber": 1,
      "name": "ポンプ圧力の確認",
      "unit": "kPa",
      "Precision": 0.1,
      "thresholds": [
        {
          "name": "注意レベル",
          "min": 200.0,
          "max": 300.0,
          "inclusiveMin": true,
          "inclusiveMax": false,
          "actionOnBreach": "運転を継続しつつ監視を強化"
        },
        {
          "name": "危険レベル",
          "min": 150.0,
          "max": 350.0,
          "inclusiveMin": false,
          "inclusiveMax": false,
          "actionOnBreach": "運転を停止し、保全担当に連絡"
        }
      ]
    },
    {
      "stepType": "check",
      "stepNumber": 2,
      "name": "油量の確認",
      "action": "油量がメモリの範囲内であることの確認",
      "expectedState": "油量がメモリの範囲内",
      "actionOnMismatch": "補充し、記録簿に追記"
    }
  ]
}

更新情報

■コメントおよび更新の一覧

コメント日コメント内容対応更新日
2025-10-20センサデータWG内部の検討用のドラフトを内部向けに公開しました。2025-10-20
2025-12-03センサデータWGのレビューが終わったため、公開しました。2025-12-03
2025-12-04JSONの例とJSON Schemaを追加しました。2025-12-04