データを自治体に提供する際の形式
データを自治体に提供する際のデータとしては、csvやExcelの様な表形式のデータで渡す方法と、共通データ仕様の形式(デジタル庁推奨モジュールの形式)で渡す場合とがある事は既に述べました。共通データ仕様の形式で渡す場合、渡す際のファイルの作り方としては以下の4種類が考えられます。どの作り方が良いか、事業者と自治体とで相談しておく必要があります。
■帳票ごとにバラバラに提供
帳票(Entity)毎にファイルを分けて提供します。コンピュータ用の帳票は下記の様に波括弧(“{“と”}”)で囲まれています。
{
"id": "urn:ngsi-ld:Land:0000000002002-0000",
"type": "Land",
・・・・・
"siteArea": 825.14,
"usage": "公益施設用地"
}
この方法は、最も基本的な方法ですが、ファイルの数が多くなったり、管理が面倒だったりします。特に、後でcsvやExcelに変換しようとすと、かなり手間がかかりそうです。
■幾つかの帳票をまとめて提供
複数の帳票をまとめてひとつのファイルにして提供します。下記の様に帳票が大括弧(“[“と”]”)で複数の帳票が囲まれています。
[
{
"id": "urn:ngsi-ld:Land:0000000002002-0000",
"type": "Land",
・・・・・
"usage": "公益施設用地"
},
{
"id": "urn:ngsi-ld:Land:0000000002002-0001",
"type": "Land",
・・・・・
"usage": "公益施設用地"
},
{
"id": "urn:ngsi-ld:Land:0000000002002-0002",
"type": "Land",
・・・・・
"usage": "公益施設用地"
},
{
"id": "urn:ngsi-ld:Land:0000000002002-0003",
"type": "Land",
・・・・・
"usage": "公益施設用地"
}
]
この例では一種類の帳票(データモデル)が並んでいますが、異なっても構いません。従って、公共施設で発生した不具合毎にひとつのファイルにまとめるとか、レポート毎にまとめるなどの応用が可能です。後で、csvやExcelファイルに変換するつもりでしたら、一種類の帳票でまとめた方が良いと思われます。
■エリア・データ連携基盤に一括登録可能な形式で幾つかの帳票をまとめて提供
前項と同様に幾つかの項目をまとめてひとつのファイルにして提供しますが、その際にエリア・データ連携基盤にそのまま登録可能な形式にまとめて提供します。都市OSにデータ登録する際の自治体側の作業が少なくなるので、将来都市OSを構築する予定の自治体に向いていると思われます。
{
"actionType": "append",
"entities": [
{
"id": "urn:ngsi-ld:Land:0000000002002-0000",
"type": "Land",
・・・・・
"usage": "公益施設用地"
},
{
"id": "urn:ngsi-ld:Land:0000000002002-0001",
"type": "Land",
・・・・・
"usage": "公益施設用地"
},
{
"id": "urn:ngsi-ld:Land:0000000002002-0002",
"type": "Land",
・・・・・
"usage": "公益施設用地"
},
{
"id": "urn:ngsi-ld:Land:0000000002002-0003",
"type": "Land",
・・・・・
"usage": "公益施設用地"
}
]
}
ここで、actionTypeにappendを指定しているのは、同じ帳票(Entity)に対し、項目(Attribute)を分けて登録できる様にするためです。
■エリア・データ連携基盤に直接登録する
既にエリア・データ連携基盤が構築済みの場合、直接登録してしまう運用も考えられます。将来、多くの自治体がエリア・データ連携基盤を保有できる様になったら、この方法が一般的になると思われます。その場合は、事業者間の引継ぎも簡単ですし、施設管理以外のアプリでも情報を有効活用できる様になります。