包括施設管理における使い方 (6/6)

各種報告時のデータ登録

 前ページでは、建物や施設の情報を事前登録する際に登録しておくべき情報について説明しました。本ページでは、それを前提に施設管理業務を実施している際に不具合が見つかったときなどに追加登録する内容について説明します。

■不具合検出時のデータ登録

 以下は、事務局が作成した不具合検出時の報告書の帳票のイメージです。各事業者が利用している帳票とはかなり差異があると思いますが、イメージを掴んで頂くために作成したものです。

この項目の内、事前登録している内容は以下の図で赤い線で囲んだ部分です。また、ご参考に共通データ仕様で用語として定義してある部分は青線で囲みました。これらの項目は、例えばデータ登録時にプルダウンメニューで案内するなどの工夫が可能な部分になります。勿論、プルダウンメニュー化するかどうかは各事業者の判断ですので、本共通データ仕様として何か規定するものではありません。

 この帳票を前提に登録する電子データ化する情報を以下の通り例示します。①は不具合の初回登録時、②は不具合に関する追加報告時を想定しています。繰り返しになりますが、帳票は事業者や自治体毎に異なりますので、実際に電子データ化する情報とは差異があります。また、差異があるからと言って、共通データ仕様に準拠していないとは言えません。

データモデル/登録情報説明情報を登録するデータモデルの項目名
報告 (Report)自治体に不具合の報告をする際の電子データです。報告する度にEntityを追加します
報告書の名称報告書の名称です。報告の種類を表しますcategory
日付検査の日付や報告の日付ですtimestamp、dateOperation
施設対象となる建物です。リンクで登録しますrefTarget
不具合不具合の内容や経緯です。案件(Complaint)のEntityへのリンクで登録しますrefComplaint
処置簡易処置を行った場合には、簡易処置の内容を簡易処置のEnumから選択します。必要に応じて、追加情報も登録しますdamageControl
写真報告に写真を貼付した場合、写真をファイルサーバなどに保管した場合、ファイルサーバ上の場所やファイル名を登録しますpictures
要望事項職員などから要望事項があった場合に記載しますrequest
所見担当者の所見を記載しますopinion
ドキュメント報告書をpdfなどにしてファイルサーバなどに保管した場合、ファイルサーバ上の場所やファイル名を登録しますdocument
案件 (Complaint)不具合などの案件ごとにEntityができます。従って、二回目以降の報告では、Entityは登録せず、Attributeの更新となります
現象不具合の現象ですphenomenon
名称案件の名称です(もしあれば)name
処置状況処置のステータスですstatus
施設対象となる建物です。リンクで登録しますrefFacility、refBuilding
場所不具合発生の場所・部位・設備を登録します。部位は部位のEnumから選択します。必要に応じて、追加情報も登録しますzones、parts
原因不具合の発生原因を登録します。発生原因は不具合原因のEnumから選択します。必要に応じて、追加情報も登録しますcause
重要度不具合が及ぼす影響度などの重要度を登録しますseverity
処置予定処置の予定を登録しますrepairPlan