ケーススタディ#1 – 施設情報のcsvファイルを活用した多目的電子データ生成 (7/8)

[付録] エリア・データ連携基盤への登録

 ここまでで電子データを共通データ仕様に合致した用語と形式で作成した例を紹介しましたが、将来的にはエリア・データ連携基盤が各自治体に整備される事を想定して電子データをエリア・データ連携基盤に登録する例を紹介します。エリア・データ連携基盤としては、デジタル庁が推奨するFiware/Orionを前提として記述します。

 ここまでの例では、電子データはモノやコトを表すEntityの列として作成されています。エリア・データ連携基盤にこれを登録するには、以下の3つの方法があります。

  • プログラムを作成して、Entityの列を読み込んてエリア・データ連携基盤に登録する
  • エリア・データ連携基盤が読み込めるように、Entityの列の前後にエリア・データ連携基盤への指示を追加してエリア・データ連携基盤に入力する。指示の追加はWindowsのPowerShellや簡単なプログラムで可能です。追加すべき指示は下図の赤枠部分です
  • 本ケーススタディで使用したctojツールにはエリア・データ連携基盤が読み込めるようなJSON文を作成する機能があるので、これを利用してエリア・データ連携基盤に入力する

本ケーススタディでは、ctojを使う方法を紹介します。

 まず、ctojのツールを使用するときにパラメータとして”jsontype=batch”を追加して実行します。そうすると、生成されるJSON文に以下の赤枠で囲った部分が追加されます。

 この方法でBuildingとBuildingのZonesの変換をやり直し、エリア・データ連携基盤に入力します。入力の方法についてはここでは記述しませんが、もし興味がある方がいらっしゃいましたら、こちらが詳しい様です。

 ひとつのEntityをエリア・データ連携基盤から読み出した例が以下です。この例では、keyValuesという簡略化したJSON文を読み出しました。BuildingとそのZonesとで別のJSON文になっていたものが、エリア・データ連携基盤の中ではidで名寄せされ、ひとつのEntityになっている事が分かります。