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デジタル化を要求する給食センタの調達仕様
給食センタの整備事業の実施方針公開時に仕様書案には共通データ仕様を明記していないものの、デジタル化を要求している仕様を紹介します。尚、各事例に記載した説明は事務局で執筆したものであり、協議会で合意したものではありません。もし、誤認や記述漏れなどがありましたら、コメントを頂ければ助かりす。
■愛知県豊田市
2025-05-20に「豊田市東部給食センター包括的運営業務委託事業プロポーザル」が公開されました。この要求水準書の中で、電子データの提供を求める内容の記述がありました。
「豊田市東部給食センター包括的運営業務委託事業要求水準書」の特徴ある記載は以下となっています。
第2 開業準備業務要求水準
1 総則
(4)計画書等の提出
イ 業務報告書
業務計画書に基づき実施した業務内容については、業務報告書を作成し、令和7年度業務については令和8年4月10日又は令和8年4月の給食提供開始の前日のいずれか早い日まで、令和8年度業務については令和8年4月の給食提供開始前までに市に提出すること。なお、業務報告書は、全て電子データ化し、必要な元データとともに事業期間終了時まで保管すること。
第3 運営業務要求水準
1 総則
(3)計画書等の提出
イ 業務報告書
業務計画書に基づき実施した業務内容については、毎月及び四半期(3か月)毎に業務報告書を作成し、市に提出すること。毎月の業務報告書については、翌月10日までに提出し、各期の業務報告書については、各期の最終月の業務終了後翌月10日までに提出すること。なお、業務報告書は全て電子データ化し、必要な元データとともに事業期間終了時まで保管すること。
2 調理等業務
(1)調理業務
事業者は、市が作成した献立等に基づき、安全でおいしい給食の提供のため、食材の下処理及び切裁・下ごしらえ等を行い、煮炊き・焼き等を行う調理業務を行うものとする。なお、実施にあたっては、以下の項目に配慮すること。
ウ 食材の適切な温度管理等
(ウ)加熱調理後、冷却する必要のある食品については、食中毒菌等の発育至適温度帯の時間を可能な限り短くするよう、冷却機等を用いて温度を下げ、冷蔵庫等で保管すること。また、冷却開始時及び冷却終了時の温度並びに時間を記録すること。
(エ)冷蔵庫、冷凍庫等の庫内温度について、24時間庫外(冷蔵庫等の外面)に表示するとともに、自動記録装置等により記録すること。
第4 維持管理業務要求水準
1 総則
(1)基本方針
イ 衛生的な施設の維持
給食センターは、常時、清潔かつ衛生的な施設管理である必要がある。このため、以下のことに留意して業務を遂行する。
(エ)調理・洗浄・消毒保管設備等の日常管理内容(温度等)をデータ化し、異常の早期発見、早期対処に努める。
(5)業務報告書
業務計画書に基づき実施した業務内容について、毎月及び四半期(3か月)毎に業務報告書を作成し、市に提出すること。毎月の業務報告書については、翌月10日までに提出し、各期の業務報告書については、各期の最終月の業務終了後翌月10日までに提出すること。なお、業務報告書は、全て電子データ化し、必要な元データとともに事業期間終了時まで保管すること。
(6)保守管理記録
保守管理記録は事業期間終了時まで保管するとともに、点検結果等を情報管理し、施設の維持保全に活用すること。
また、修繕等において設計図面に変更が生じた場合は、変更箇所を反映させて、各種履歴がわかるようにすること。さらに、万一に備え、これらのバックアップをとっておくこと。なお、市が更新等するものについては、市から図面等を提供するため、事業者はそれを含めて各種履歴が分かるようにすること。
2 建築物保守管理業務
(2)業務内容
エ 建築物保守管理記録の作成、保管及び提出
保守管理記録は、全て電子データ化し、事業期間終了時まで保管すること。また、点検・整備・事故内容等は、総則に定めた、毎月の業務報告書に記載すること。
3 建築設備保守管理業務
(2)業務内容
エ 設備保守管理記録の作成、保管及び提出
設備の運転・点検整備等の記録は、以下に示す運転日誌、点検記録及び整備・事故記録等を全て電子データ化し、必要な元データとともに事業期間終了時まで保管すること。
(ア)運転日誌
a 受変電日誌
b 熱源機器・空調設備運転日誌
(イ)点検記録
a 空調設備点検記録
b 電気設備点検記録
c 給排水設備点検記録
d 受水槽点検記録
e 排水処理施設点検記録
f 昇降機点検記録
g 防災設備点検記録
h その他法令で定められた点検に係る記録
(ウ)整備、事故記録
a 定期点検整備記録
b 補修記録
c 事故・故障記録
d 営繕工事完成図書
4 外構等保守管理業務
(2)業務内容
エ 外構等保守管理記録の作成、保管及び提出
保守管理記録は、全て電子データ化し、必要な元データとともに事業期間終了時まで保管すること。。また、点検・整備・事故内容等は、総則に定めた、毎月の業務報告書に記載すること。
5 調理設備保守管理業務
(2)業務内容
ウ 調理設備保守管理記録の作成、保管及び提出
保守管理記録は、全て電子データ化し、必要な元データとともに事業期間終了時まで保管すること。また、点検・整備・事故内容等は、総則に定めた、毎月の業務報告書に記載すること。
6 清掃業務
(2)業務内容
エ 清掃管理記録の作成、保管及び提出
清掃記録は、全て電子データ化し、必要な元データとともに事業期間終了時まで保管すること。また、清掃内容等は、総則に定めた、毎月の業務報告書に記載すること。
7 警備業務
(2)業務内容
コ 警備管理記録の作成、保管及び提出
警備記録は、全て電子データ化し、必要な元データとともに事業期間終了時まで保管すること。また、警備記録を作成し、毎月市に提出すること。ただし、異常発生時には翌朝までに緊急報告書を提出すること。
尚、要求水準書などの全文については、以下をご覧ください。
https://www.city.toyota.aichi.jp/jigyousha/proposal/1030252/1066368.html
特徴は、業務全般に関して電子データ化を要求している点に加え、単に「電子データ」と記載するだけでなく「必要な元データとともに」と記載してある事で、システム内のデータについても何らかの形態で保管を義務付けているため、例えばpdf等で保存するだけでは要件を満たすことができない可能性があります。
■埼玉県熊谷市
2024-11-18に「新熊谷学校給食センター整備事業に係る実施方針および要求水準書(案)の公表について」が公開されておりました。これに対し2025-03-06に「新熊谷学校給食センター整備事業に係る実施方針および要求水準書(案)など改訂版の公表について」が公表され、更に2025-03-31に「新熊谷学校給食センター整備事業に係る募集要項などの公表について」が公表されました。この要求水準書の中で、DXの提案と電子データの提供を求める内容の記述がありました。
「新熊谷学校給食センター整備事業要求水準書」の特徴ある記載は以下となっています。
第1 総則
3 事業概要
(3) 業務内容
ア 事業者が行う業務
(エ)運営業務
d その他関連業務(光熱水費・使用量のデータ管理、食育支援、広報支援等)
第2 設計・建設業務
1 設計・建設業務の基本的な考え方
(4) 設備計画における基本的要件
イ 機械設備
(イ)換気・空調設備
m 給食エリア及び一般エリアの諸室の温湿度を計測し、建物の中央監視設備等で監視可能な設備を設けること。測定データは、最低1年間収集可能な容量とし、CSVデータとして保管し、市の求めに応じて提出すること。
4 設計業務及びその関連業務に伴う各種許認可手続き等の業務
(2) 業務内容
エ 基本設計及び実施設計に関する書類の提出
基本設計及び実施設計の各終了時には、以下の書類(電子データ化が可能なものについては、電子データを含む)を提出する。なお、提出時の体裁、部数等については、別途指示する。
— 省略 —
5 工事及びその関連業務に伴う各種申請等の業務
(3) 完了時の業務内容
イ 市による完工検査
(イ)工事完成図書は、以下の書類について紙及び電子データにて提出することにするが、提出時の体裁、部数も含め詳細は別途指示する。
・工事完了届
・工事記録(工事記録に関する写真を含む)
・完成図(建築)
・完成図(電気設備)
・完成図(機械設備)
・完成図(調理設備)
・各種試験結果報告書
・マニュフェストA・E票(写し)
・調理設備(リスト・カタログ)
・調理備品(リスト・カタログ)
・什器備品(リスト・カタログ)
・各種承諾図
・設備・備品関連説明書等(取扱説明書、運転方案、保全計画書、保証書の写し)
・完成調書
・完成写真
・諸官庁届出書類の写し
・その他必要図書及び市が必要と認めたもの
第5 維持管理業務
1 総則
(2) 維持管理業務における基本的な考え方
ケ 効率的かつ効果的な維持管理業務の実施、及び事業終了時の円滑な維持管理データの承継に資するように、DXに取り組む。
(8) 施設管理台帳等の作成
施設管理台帳及び備品管理台帳を整備・更新・保管し、市の要請に応じて提示する。また、工事完成図書を基に、(1)ア~オの業務における補修・修繕・更新等の内容を反映した図面や台帳を作成・保管し、市の要請に応じて提示する。
2 建物保守管理・修繕業務(外構等も含む)
(2) 業務内容
エ 建物・外構等維持管理記録の作成、更新、保管及び提出
建物・外構等維持管理記録は、全て電子データ化し事業期間終了時まで保管する。また、点検・整備・事故内容等は、毎月の月報に記載する。
3 建築設備保守管理・修繕業務
(2) 業務内容
エ 建築設備維持管理記録の作成、保管及び提出
設備の運転・点検整備等の記録は、以下に示す運転日誌、点検記録及び整備・事故記録等を全て電子データ化し事業期間終了時まで保管する。
(ア)運転日誌
(イ)点検記録
a 電気設備・通信設備点検表
b 空調設備点検表
c 給排水、衛生設備点検表
d 受水槽点検記録
e 調理用水水質検査記録
f 防災設備点検記録
g その他提案により設置される各種設備の点検・測定記録
(ウ)整備・事故記録
a 定期点検整備記録
b 補修記録
c 事故・故障記録
4 調理設備保守管理・修繕業務
(2) 業務内容
ウ 調理設備維持管理記録の作成、保管及び提出
維持管理記録は、全て電子データ化し事業期間終了時まで保管する。また、点検・整備・事故内容等は、毎月の月報に記載する。
7 清掃業務
(2) 業務内容
エ 清掃管理記録の作成、保管及び提出
清掃記録は、全て電子データ化し事業期間終了時まで保管する。また、清掃内容等は、毎月の月報に記載する。
第6 運営業務
1 総則
(1) 業務の範囲
エ その他関連業務
(ア)光熱水費・使用量のデータ管理
5 その他関連業務
(1) 光熱水費・使用量のデータ管理
ア 本事業における光熱水費は、市が負担するものとするが、光熱水費の削減が可能な限り図られるよう、事業者にて省エネルギー設備等を提案して業務を実施する。
イ 別途市がエネルギーマネジメント等を行い、適切な設備の導入・運用を行っていることを確認する場合があるため、各諸室の温度・湿度及び各設備の時間帯別消費電力量等のデータを少なくとも1年分以上は保管できるシステムを導入し、データは概ね1年ごとにCSVデータ等で保存するものとする。詳細は事業者の提案に委ね、別途協議するものとする。
尚、要求水準書などの全文については、以下をご覧ください(PFI協会会員専用のページです)。
https://pfikyokai.or.jp/pfi-data/pfi-data/pfi-data/2024/1211/1211.html
記載ヶ所は要求水準書の2,25,30,33,45-51,55,64ページです。
特徴は、DXの目的が具体的に「効率的かつ効果的な維持管理業務」と「円滑維持管理データの承継」と記載されている点です。これにより、例えば(8)の管理台帳なども効率的なかつ効果的である様にどう提案するかを考える必要があります。また、円滑なデータの承継をどう実現するのかについても提案する必要があります。各種役務全般で電子データ化を求めている点も特徴でしょう。