土地 (Land)

説明

2023-04-03/2024-09-21

 土地の情報を登録するデータモデルです。施設管理を行う場合、施設が入居する建物の敷地を登録します。敷地が自治体の土地ではない場合も登録が必要ですが、最低限「住所(address)」だけは登録します。公園など、建物を伴わない土地一般やインフラも管理対象としたいとのニーズがあり、「Building」(建物)とデータモデルを分けています。BuildingからLandをリンクしています。Buildingからのリンクは複数登録可能なArrayになっており、複数の土地の登録も可能です。尚、複数の土地に跨った敷地だと土地により住所が異なる可能性があるので、建物の住所と一致する土地をArray内の最初のリンクとして登録します。

 土地をデータモデル化する場合には幾つかの考え方があります。ひとつは「不動産」と言う考え方で、登記の単位であり所有者が特定できる単位です。もうひとつは公園や畑などの利用形態が一致する範囲をひとつのモノととらえる考え方です。後者は、スマート農業や公園の管理などに必要です。ひとつの公園が複数の所有者の土地に跨っていることは良くある事です。現在公開している本データ仕様は前者の不動産としての土地に合わせて策定してあります。後者で利用する場合には使いにくいと思いますので、もしその様な利用ニーズがある場合にはどの様な管理をしたいのかなどの情報を事務局宛にお寄せください。それらのニーズを検討して仕様を拡張します。ご連絡はコメントフォームからお願います。

データモデル

2023-04-03/2024-09-27

 下表の「呼称」の列は、説明文やケーススタディで用いる項目の名称です。仕様としては意味を持たない情報ですが、本来の項目名であるAttribute nameは日本語話者にとっては感覚的に理解しにくいため、便宜上定義してあります。

 ①は公共施設管理において自治体の土地を表現する場合の登録の要否、②は公共施設管理において民間の土地を表現する場合の登録の要否です。

Data Model説明
Attribute name呼称  回数type補足
id土地ID1::1Textデータを登録する時点で登記済みの土地については、NGSI-LDの仕様に合わせ、次の形式の識別子とする。”urn:ngsi-ld:Land:”<不動産ID>。不動産IDについては、「不動産IDルールガイドライン」を参照。このガイドラインでは土地の不動産IDは<不動産番号>”-0000″の形式。不動産番号は13桁のASCII文字列。不動産番号直後の文字はハイフン(“-“)以外も利用可能となっているが、idに利用する場合はハイフンのみ利用可能。
データを登録する時点で登記していない土地については、NGSI-LDの仕様に合わせ、次の形式の識別子とする。”urn:ngsi-ld:Land:”<国名コード><法人番号>-<通番>、または”urn:ngsi-ld:Land:”<UUID>。<国名コード>は日本の法人が所有する土地の場合は”JP”、<法人番号>は土地を所有する法人番号、<通番>はその法人内で定める重複のない任意の文字列です。<UUID>はUUIDの規格に従う重複の無いランダムな16進文字列です。
不動産IDのルールは今後変更されるかもしれませんが、その場合も一旦割り当てたidは変更してはならない
必須
type1::1Text必ず”Land”の文字列でなくてはならない必須
identificationGroup土地不動産ID0::1IdentificationGroup土地を一意に識別するID。土地単位に付番する。不動産IDの登録を想定。不動産IDを登録する場合は、不動産IDの生成ルールが今後変更される可能性がある事に留意が必要です。
usage用途1::nArray土地の主要な用途。本仕様が継承しているGIFのコア・データモデルで必須のしていがあるため、本仕様でも必須としてあります。登録して良い用語(列挙型メンバ)の定義は、LandUsageを参照必須
name土地名0::1Text土地の名前がある場合は必ず設定します。”○○公園”など。但し、小学校など、通常建物名称や施設名称で呼ばれる場合は省略して構わない
alternateName通称0::nText住民からの問い合わせや掲示などで使われる一般的な通称がある場合はリスト形式で列挙する
description説明0::1Text土地情報として公開可能な詳細情報
address住所1::1PostalAddress住所をPostalAddress形式で設定する。郵便番号は、土地に付番された郵便番号を登録するものとし、個別郵便番号は施設のデータモデルであるFacilityに登録する必須
siteArea面積0::1Number土地の敷地面積(㎡)。公共施設の土地では必須
location座標0::1Point土地の座標点を登録する (注1)
Polygon土地の形を座標のポリゴンで登録する (注1)
remarks備考0::1Text土地の備考
refContactPoint連絡先0::1Relationship所有者と連絡先が異なる場合に、連絡先となっている法人のOrganizationか担当部門のDepartmentへのリンクを設定する。施設管理事業者の情報には、電話番号などの連絡方法に関する情報が記載されている
fireZone防火地域0::1Text防火地域、準防火地域などの区別 。施設カルテ等での利用を期待しており、公共の土地では登録を推奨
landUseZone用途地域0::1Text用途地域を表す列挙型項目。施設カルテ等での利用を期待しており、公共の土地では登録を推奨。登録して良い用語(列挙型メンバ)の定義はLandUseZone
ownership所有形態0::1Text所有形態。”市”、”町”、”県”、”借上”げなど。公共施設の場合は必須。但し、建物が”借上”の場合、記入は必須ではない
acquisitionPrice取得価格0::1Number土地の取得価格。公共の土地では必須
coverageRatio建ぺい率0::1Number建ぺい率を%で記載
floorAreaRatio容積率0::1Number容積率を%で記載
refOwner所有者0::1Relationship所有する法人へのリンク。例えば、自治体が公有地を本データモデル管理する場合に、自治体のOrganizationにリンクする。建物の管理業務において「建物」とオーナーが異なる場合は必須です。
refDepartment所管部門0::1Relationship所有する法人に所管部門がある場合にDepartmentにリンクする

 注1: PointとPolygonは同時には登録できません。

技術情報

データモデル名Land
継承元データモデルコア・データモデル/土地
参照データモデルコア語彙/連絡先クラス、コアデータパーツ/住所、Smart Data Models/Building
URIhttps://ppp-database/spec/datamodel/Land
JSON SchemaこのJSON SchemaはNormalized形式に対応しています。必要に応じて、形式チェックの項目を追加するなどして利用する事ができます。本JSON Schemaはデータ仕様の変更や、JSON schemaに対する要望により、予告なく更新されます
補足土地の情報を登録するデータモデルです。施設管理を行う場合、施設が入居する建物の敷地を登録します。敷地が自治体の土地ではない場合の登録は、主に住所の情報を得るために登録が必要です。従って、最低限addressだけは登録します。公園など、建物を伴わない土地一般やインフラも管理対象としたいとのニーズがあり、「Building」(建物)とデータモデルを分けています。BuildingからLandをリンクしています

■Entityの例

 広島県呉市を題材にしていますが、実際と異なる情報の可能性があります。下記リンクからjsonファイルをダウンロードできます。そのままクリックすると、環境によっては日本語が文字化けして表示されます。

Normalized形式の例

{
    "id": "urn:ngsi-ld:Land:0000000001002-0000",
    "type": "Land",
    "acquisitionPrice": {
        "type": "Number",
        "value": 600000000
    },
    "address": {
        "type": "PostalAddress",
        "value": {
            "streetAddress": "吉浦東本町1-7-23",
            "addressLocality": "呉市",
            "addressRegion": "広島県",
            "postalCode": "7370852"
        }
    },
    "coverageRatio": {
        "type": "Number",
        "value": 60
    },
    "description": {
        "type": "Text",
        "value": "呉市吉浦市民センターの敷地です"
    },
    "floorAreaRatio": {
        "type": "Number",
        "value": 172
    },
    "fireZone": {
        "type": "Text",
        "value": "準防火地域"
    },
    "identificationGroup": {
        "type": "IdentificationGroup",
        "value": [
            {
                "identificationType": "不動産ID",
                "identification": "0000000001002-0000"
            }
        ]
    },
    "landUseZone": {
        "type": "Text",
        "value": "近隣商業地域"
    },
    "location": {
        "type": "geo:json",
        "value": {
            "type": "Polygon",
            "coordinates": [
                [
                    [
                        132.529706,
                        34.257934
                    ],
                    [
                        132.529987,
                        34.257849
                    ],
                    [
                        132.529894,
                        34.257637
                    ],
                    [
                        132.529604,
                        34.25772
                    ],
                    [
                        132.529706,
                        34.257934
                    ]
                ]
            ]
        }
    },
    "ownership": {
        "type": "Text",
        "value": "市"
    },
    "refDepartment": {
        "type": "Relationship",
        "value": "urn:ngsi-ld:Department:JP9000020342025-0402004"
    },
    "siteArea": {
        "type": "Number",
        "value": 825.14
    },
    "usage": {
        "type": "Text",
        "value": "公益施設用地"
    }
}

keyValues形式の例

{
    "id": "urn:ngsi-ld:Land:0000000001002-0000",
    "type": "Land",
    "acquisitionPrice": 600000000,
    "address": {
        "streetAddress": "吉浦東本町1-7-23",
        "addressLocality": "呉市",
        "addressRegion": "広島県",
        "postalCode": "7370852"
    },
    "coverageRatio": 60,
    "description": "呉市吉浦市民センターの敷地です",
    "floorAreaRatio": 172,
    "fireZone": "準防火地域",
    "identificationGroup": [
        {
            "identificationType": "不動産ID",
            "identification": "0000000001002-0000"
        }
    ],
    "landUseZone": "近隣商業地域",
    "location": {
        "type": "Polygon",
        "coordinates": [
            [
                [
                    132.529706,
                    34.257934
                ],
                [
                    132.529987,
                    34.257849
                ],
                [
                    132.529894,
                    34.257637
                ],
                [
                    132.529604,
                    34.25772
                ],
                [
                    132.529706,
                    34.257934
                ]
            ]
        ]
    },
    "ownership": "市",
    "refDepartment": "urn:ngsi-ld:Department:JP9000020342025-0402004",
    "siteArea": 825.14,
    "usage": "公益施設用地"
}

更新情報

■コメントおよび更新の一覧

コメント日コメント内容対応更新日
2023-05-23武蔵大学庄司先生
・不動産IDの活用の検討が進んでおり、共通データ仕様でも活用を検討してはどうか
・LandのEntity idの規定が無かったので、Entity idとして活用
・LandのidentificationGroupに、不動産IDを登録可能とする
2023-05-24
2023-05-27事務局
・コア・データモデルの土地の「用途」と一般に用いられる「用途地域」の定義が異なるが、どちらも登録が必要となる可能性がある
・landUseZoneという列挙型項目を追加する。これに伴い、LandUseZoneという用語定義を追加する2023-05-27
2023-11-13事務局
・自治体では登記していない土地が多く、不動産IDが割り当てられていない場合がある
・idのルールに不動産IDが無い場合のルールを追加します2024-01-14
2024-09-21事務局
・各種説明やケーススタディに項目名を記載する際、Attribute nameでは理解しにくい
日本語話者向けに「呼称」の列を追加しました。仕様としては意味はなく、説明文やケーススタディの理解が容易になる様に付けた便宜上の名称です2024-09-21
2024-09-27事務局
修繕履歴の検討の過程で以下の課題が指摘された
・「所有者(refOwner)」は土地の所有者が建物と異なる場合は引継ぎ上必須ではないか
・「所有者」の”①”と”②”の列に”注”を記入し、説明に対し引継ぎ時には必須である旨を追記します2024-09-27
2024-10-31事務局
・国土交通省が検討している不動産IDの設定ルールが変わる可能性がある事が不動産ID官民連携協議会会員への通知で判明
・不動産IDが変わっても、idの値の変更は許されないため、その考え方を追記します2024-10-31